「東京エレクトロン」今大人気の半導体関連株!株価はこれからも上がる?

銘柄分析

この記事では半導体関連株として大人気の東京エレクトロンについて、決算書から導き出した以下の5つの指標を用いて徹底分析しています。

①安全性・・・手元流動性、流動比率、自己資本比率

②収益性・・・売上高成長率、営業利益率、経常利益率、販管費率

③将来性・・・キャッシュフローマージン、未来投資、FCF

④株価上昇性・・・EPS増加率、PER

⑤配当・・・配当利回り、配当性向、増配率

上記の指標から独自に点数化したものがこちらになります。

以降では各項目について、上記のように評価した理由について解説していきます。

企業概要

・半導体製造装置で世界3位

・半導体の高性能化には様々な工程があり、各工程で使用される装置でシェアNo1多数

・新開発棟も続々竣工中

・平均年収驚異の約1,400万円

株価推移

出所:SBI証券

半導体関連株として注目され、ここ一年で急上昇。、約5年で10バガー達成しています。

以降では各分析項目の詳細について解説していきます。

①安全性

手元流動性

手元流動性は企業の短期的な支払能力を計る尺度です。基本的に大企業では1ヶ月分あれば問題ないですが、東京エレクトロンの場合、2.2ヶ月分あるので心配なしです。

流動比率、自己資本比率

流動比率については200%を超えていれば、流動資産が流動負債の2倍以上あることになるので、安全性はかなり高いです。東京エレクトロンの場合300%近くあり、倒産の可能性は全くありません(こんだけ売上高が高く、年収も高い企業なのであたりまえですね)。

自己資本比率は30%以上が一つの目安ですが、70%なので全く問題ありません。

以上のように、短期的な安全性と長期的な安全性について確認してきましたが、特に不安要素は見当たりませんでした。むしろ、安全性ついては悪いところを探す方が難しいぐらい盤石な経営をしています。従って、東京エレクトロンの安全性は100点となりました。

②収益性

ROE、ROA

ROEとは株主が会社に預けているお金を使ってどれだけ利益を稼げているかを見る指標で、基本的には8%以上あれば合格点です。ROEは自己資本を減らすことで高めることもできてしまいますが、東京エレクトロンでは過去5年自己資本比率70%を維持しつつ、ROEも20%を超えていて、かなり効率よく利益が得られていることが分かります。

次にROAとは企業が資産に対して、どれだけの利益を生んでいるかを示す指標です。5%以上が望ましいとされています。東京エレクトロンの場合、常に10%を超えていて効率的に運用しながら利益を生み出していることが分かります。

売上、経常利益率、販管費率

こちらでは売上高は伸びているか、販管費を抑えながら利益を伸ばせているかについて確認しています。

売上高については2023年まで半導体関連の勢いそのまま順調に伸びていて、4年で2倍になっています。また販管費率は減少しつつ、経常利益率は伸びているので経営形態が改善していることが分かります。一方、2024年については会社予測で売上高は前年比マイナスになっています。これはPCやスマホ需要の低迷が要因と考えられます。

以上の結果を基に、東京エレクトロンの収益性を点数化すると94点となりました。

③将来性

キャッシュフローマージン、FCF

キャッシュフローマージンでは営業キャッシュフローを十分稼げているかを確認する指標で、営業キャッシュフローを売上高で割ることで求められます。10%以上であれば優良企業と判断していますが、東京エレクトロンでは平均17%と高い数値です。FCFについては増加傾向にあり将来性もあります。

未来投資

 2020年2021年2022年2023年
未来投資

未来投資とは設備や機械などの資産価値の目減り分以上の設備投資をしているか調べたものになります。具体的には「固定資産の購入と売却の差額 > 減価償却費と減損損失の合計額」となっているか確認しています。要するに未来に向けて設備投資を積極的に行っているかどうかです。東京エレクトロンは毎年、固定資産の購入と売却の差額が減価償却費と減損損失の合計額を上回っていることからも、未来に向けてしっかりと投資をしていることが分かります。

以上から、東京エレクトロンの将来性は100点となりました。

④株価上昇性

EPS、EPS増加率

EPSは2021年から2022年にかけて大きく成長しましたが、最近は鈍化もしくは減少傾向にあります。以上から、利益成長性にはやや陰りが見られます。

PER、PEGレシオ

 2021年2022年2023年2024年
EPS増加率31%87%4%-28%
PER32.623.617.357.5
PEGレシオ1.040.274.43-2.05

PEGレシオとはPER/年間EPS増加率で求めることができ、株価の割安性を測定する指標です。一般的に1倍以下なら割安、2倍以上なら割高と言えます。東京エレクトロンの場合、EPS増加率がマイナス(対前年減)であるため、PEGレシオはマイナスとなっています。以上から、現在の株価は割高と言えます。

予測未来株価

 2024年2027年
現在/未来株価3838025188

現在のEPS成長性から換算すると、2027年には株価が下がっていると考えられます。

以上から、東京エレクトロンの株価上昇性は0点としています。

⑤配当

配当利回り、配当性向

配当性向は純利益からどれくらい配当金を支払っているかの割合で、目安として20%〜50%を目安としている企業が多いです。

東京エレクトロンは常に50%以上の配当性向となっており、利益の株主への還元は積極的であると言えます。

配当利回りについては株価が高すぎるため現在は0.89%と低めですが、昨年までは2〜3%もありました。

以上から、東京エレクトロンの配当は40点としています。

株価はこれからも上がる?

上記の株価上昇性の欄でも記載しましたが、現在の株価はかなり割高です。

またEPS増加率を見ても、最近は成長が鈍化傾向にあることが分かります。

以上から、半導体関連株としてのブームが終われば株価は上がるどころか下がっていくことが予測されます。

今後、更に半導体ブームが過熱していきEPSもどんどん上昇するようなことがあれば、改めて分析してみたいと思います。

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